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中川智博のコーチング MEMO #03
みんながめざした静岡マラソン2109。
そして、2020へ。

中川智博のコーチング MEMO #03みんながめざした静岡マラソン2109。そして、2020へ。

TOMO RUN 代表
中川智博
みんながめざした静岡マラソン2109。
そして、2020へ。

陸上競技キャリアでは、日本代表として、箱根駅伝や実業団のキャプテンを務めてきた中川智博氏の今は市民ランナーコーチ。それはアスリートの指導とはわけが違う。運動能力もそれぞれ、基礎ができていないフォーム、前向きな人がいればすぐにやる気をなくす人も、そんな初心者ランナーに正しいランニング技術とスポーツとしての楽しみをいかに伝えているのだろう。今回は、中川コーチの静岡マラソン2019。スタートラインに立つことができたランナーの思い、全力を尽くしたランナーの姿を見て、声を聞いて、感じたこととは。

恵の雨を力にしてほしいと思った。

直前の一週間、春のはじまりを告げるように暖かい日が続いていた。めざ静!、トモラン静岡、トモラン浜松のランナー、そして強化プロジェクトの金子雅也と田中雄也。みんなが静岡マラソン2019を目指してきたのが、現場で痛いほど伝わってくる。当日の朝、絶好のコンディション。前日に雨が降った…恵の雨だった。恵の雨を、みんなには力にしてほしいと思った。

朝の駿府公園。トモラン静岡・浜松の教室拠点を回り、まんべんなくランナーの状態をチェックした。何人かのランナーには大きな問題があり、それを解決するため、おくむら鍼灸院の奥村トレーナーはじめ専門家にも助けを求め、できる限りのことをした。

前日のステージでは「前半慌てない、安倍川と久能海岸からが勝負」と口酸っぱく伝えた。僕の話を聞いてくれるランナーは、みんな幸せなゴールを迎えてほしいという気持ち。何人か、会場で声をかけてくれた。もう少し掘り下げたアドバイスをして、笑顔になったのを見届け、ゴール地点に向かう。

フィニッシュ地点、こみ上げる悔しさ。

フィニッシュ地点に着くと、嬉しかった人、悔しかった人、それぞれの姿があった。多くのランナーが声をかけてくれた。「中川さん、アドバイス通りに行けたよ!」「中川さん、ごめん、ダメだった」。段々と自分の中に、全員を笑顔にできなかったという悔しさがこみ上げてきた。時に、感情が移って涙した。レースに来ると毎度そうなる。これが指導者という職業なのだろう。

静岡マラソン2020は始まっている。

人が去った清水の会場、コーチ3人で静岡マラソンの反省をした。30km不足か?動きづくり不足か?スピード練習不足か?互いに議論をできるのがトモランコーチ陣の長所。議論の末、まずは「動きのチューニングを丁寧にやって来年を目指していこう」という事になった。人間の体はチューニングをしっかりとしないと壊れてしまい、パフォーマンスアップを望めない。3月のトモラン静岡のメニューには、そういったチューニング系の練習を多く組み入れることにした。

もう今日から静岡マラソン2020は始まっている。ランナーたちと一緒に、熱い1年がはじまるのだろうと想像するとわくわくしてくる。

レース当日の朝、電車に乗りながら、いろいろ思い返しました。自分自身が選手だった時、走ることにだけ集中していたと思います。コーチとして大会を迎えても、選手のこと、レースに集中していたと思います。最近は、選手や指導者としてではなく、違う立場から大会に携わっています。30歳台で、それぞれを経験させてもらえることは、幸せなんだろうって思います。そう思うと、早く会場に着いてランナーに会いたいって気持ちが大きくなってきました。

ゴールでは泣きました。
悔しいランナーを見ていたら、泣けてきました。
「自分に、もっと何かできなかっただろうか?」
そう思うこと、そこから始まるのかもしれません。
たぶん、満足することは指導者を辞めるまでないでしょう。この人生を選択したのだから、とことんやろうと思います。

投稿者情報

R.B.S
食べること、カラダを作ること、
仲間と笑い合うことを、走りにプラス。

ランニングをライフスタイルに。

走り始めた人、走り続けている人、走ってみたい人と一緒に、
その時間とシーンを楽しめたらうれしいです。

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